老いたこの身の歎きは、声もなく涙がただ旅の身をつつむ衣をうるおすのである。 遠くに離れた兄弟からのたよりは、手にすることもまれである。 荷を肩にする左右の鬢髪も雪のように白くなって しまっている。 はるかに見渡せば、雲も山もはてしなくひろがっているが、さてこれからいったい、わたしはどこに 身を寄せたらよいのだろうか。