結 婚 祝けつこんいわ い の うた
加藤 雍軒
天保十二(1841)〜明治三十一(1898)

今夜瑤薹張宴來

高砂謡與酒杯催

芙蓉兩朶誰移得

銀燭影中相對開
こん 瑤台宴ようだいえんきた
高砂たかさご謡酒杯うたしゅはいとももよお
よう りょう たれうつ たる
銀燭ぎんしょく 影中えいちゅう 相対あいたい してひら

今夜は玉のうてなのような立派な会場でめでたく結婚祝いの宴が張られ、祝杯が酌み交わされると同時に高砂 の謡もうたい出された。
真におめでたいことである。この会場に誰が飾って下されたのか、明るく輝く光の中に美 しく二枝の芙蓉の花が咲きほこっている。
あたこも今夜も花婿・花嫁を象徴するようである。