平素から君のことを心にとめているのであるが、静かで寂しい秋にはことさら君のことが懐われて、冷たい夜空の下を、散歩しつつ詩を吟ずるのである。 山には人もなくひっそりと静まりかえって、ただ時おり、松かさの落ちる音が静寂を破って聞こえるだけである。 さだめし君も眠らずにいる事であろう。