せつ よう りゅう
楊 巨源
中唐 (770 〜 ?)

水邊楊柳麹塵絲

立馬煩君折一枝

惟有春風最相惜

慇懃更向手中吹
水辺すいへんよう りゅう 麹塵きくじんいと
うまとどきみわずら わして いつ
しゅん ぷうもっとあい しむ
慇懃いんぎんさらしゅ ちゅう かって

水辺の柳は若芽が萌えて、黄緑色の糸のように春風にそよいでいる。
そこで、馬を止めて君に一枝折ってもらう。すると春風は、今までたわむれていた柳の枝との別れを惜しむかのように、あなたの手中の柳に向かってねんごろに吹いてくるのである。