しん わいはく
杜 牧
晩唐 (803 〜 852)

煙籠寒水月籠沙

夜泊秦淮近酒家

商女不知亡國恨

隔江猶唱後庭花
けむり寒水かんすいつきすな
よる 秦淮しんわいはく して しゅ ちか
しょう じょ らず 亡国ぼうこくうら
こうへだ てて なお うと後庭こうてい

夜霧は秦淮河の流れの上にたちこめ、月の光は川岸の砂を白々と照らしている。
今夜は秦淮川に舟泊まりをしたが、両岸には酒家がたちならんで歌声もなまめかしい。
彼女たちは随に亡ぼされた陳の古都だと言う事など知らぬげに、陳の亡国の恨みがこもるという 「玉樹後庭花」 の曲をさかんに歌っている。
あわれ・・・・。