夜霧は秦淮河の流れの上にたちこめ、月の光は川岸の砂を白々と照らしている。 今夜は秦淮川に舟泊まりをしたが、両岸には酒家がたちならんで歌声もなまめかしい。 彼女たちは随に亡ぼされた陳の古都だと言う事など知らぬげに、陳の亡国の恨みがこもるという 「玉樹後庭花」 の曲をさかんに歌っている。 あわれ・・・・。