一夜、初霜が屋根瓦に薄くついて白い。寒さに耐えかねて、芭蕉の大きな葉は折れ、枯れたはすの葉は無残に傾くというように、百花みなしぼむ時、よく寒気に耐えて、東側の籬の菊だけが咲いている。 霜の白に菊の黄が映えて、朝の風情が一入清らかである。