きく
白 居易
中唐 (772 〜 846)

一夜新霜著瓦輕

芭蕉新折敗荷傾

耐寒唯有東籬菊

金粟花開暁更清
いち 新霜しんそう かわら いて かろ ろし
しょうあらた れて はい かたむ
かん うるは ただ とう きく のみ りて
金粟きんぞくはなひら いて あかつき さらきよ

一夜、初霜が屋根瓦に薄くついて白い。寒さに耐えかねて、芭蕉の大きな葉は折れ、枯れたはすの葉は無残に傾くというように、百花みなしぼむ時、よく寒気に耐えて、東側の籬の菊だけが咲いている。
霜の白に菊の黄が映えて、朝の風情が一入清らかである。