閑散とした生活に入って以来、何事につけても心はゆったりとしていられる。
ぐっすりと眠って目が覚めてみれば、もう東の窓には朝日があかあかと映っている。
宇宙の万物を静かに眺めてみると、それぞれに所を得て分に安んじ楽しんでいる。
春夏秋冬のおもむきは人間の営みと一体となって変化して行く。
一定の道は天地の間に有形無形を問わず通じている。
このように考える時に風に流れる雲と一体となって悠々たる気分になることが出来る。
そして、富貴になっても乱れ奢ることなく、また貧賎にいても心楽しむような心境に達することが出来る。
これこそ男児の中の真の豪雄というべきである。
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