とう じょう
趙 孟?
元 (1254 〜 1322)

野店桃花紅粉姿

陌頭楊柳緑煙絲

不因送客東城去

過卻春光總不知
てんとう 紅粉こうふん姿すがた
陌頭はくとうよう りゅう りょく えんいと
きゃくおくとう じょう るに らずんば
しゅん こう きゃく してすべ らざらん

野店に咲き誇っている桃の花は、紅白粉で粧いをこらした美人の姿にも似、道ばたの柳の糸は新芽が萌え出て遠くから見ると緑のもやがかかっているように見える。
春色正にたけなわのこの折、もし旅立つ客を見送るために東の郊外まで出かけてこなかったら、部屋に閉じこもった盡で、このような美しい春の景色を見ずに過ごしてしまうことになったであろう。