春の一日、杖をひきながら郊外に向かって静かに足を運べば、路は一筋に遠く、その彼方にある人家は、みどりのもやのなかに霞んで見える。 ふと鶯の声を聞いて見まわしてみれば、そこには紅梅がほころび、その色が小川の水に鮮やかにうつっている。