しゅん じつ そん こう
木村 岳風
明治三十二 (1899)〜昭和二十七 (1952)

郊外牽?一路通

人家春色翠煙中

黄鶯啼處試囘首

一點梅花映水紅
郊外こうがい つえ けばいち つう
じん 家のしゅん しょく 翠煙すいえんうち
黄鶯こうおう ところ こころ みにこうべめぐ らせば
一点いつてんばい みずえい じてくれない なり

春の一日、杖をひきながら郊外に向かって静かに足を運べば、路は一筋に遠く、その彼方にある人家は、みどりのもやのなかに霞んで見える。
ふと鶯の声を聞いて見まわしてみれば、そこには紅梅がほころび、その色が小川の水に鮮やかにうつっている。