せん がく
坂井 虎山
寛政十 (1798) 〜 嘉永三 (1850)

山嶽可崩海可飜

不消四十七士魂

墳前滿地草苔濕

盡是行人流涕痕

山岳さんがく くずうみ ひるがえ
しょう せず じゅう しち こん
墳前ふんぜん まん 草苔そうたい 湿うるお
ことごと行人こうじん りゅう ていあと


山岳も崩すことが出来ようし、海も覆すことが出来よう。
だが、あの赤穂四十七士の忠魂を消滅させることは出来ないであろう。
今でも泉岳寺の墓前では、辺りの草や苔がしっとりとぬれている。
これはすべて、後人が墓前にぬかずいて感涙を流したあとなのである。