私は齢七十となり頭はもうすっかり白くなってしまったが、今はまおことによい時節で、青葉の上を吹くおだやかな初夏の風がわたしの顔をなで、この宴席にまでやってきている。 いま、わたしは嬉しく眺めるのだ。 天地がすべて生き生きとしており、新たな夏の木陰が、まるで少年のような初々しさをただよわせているのを。