紅葉こうよう かん にてきょう いん せき じょう にわか
國分 青
安政四 (1857)〜昭和十九 (1944)

七十青国圈゙顛

薫風吹面上嘉筵

欣看天地生生色

夏木新陰似少年
しち じゅうせいがい しも てん
薫風くんぷう めん いて えんのぼ
よろこてん 生生せいせいいろ
ぼく 新陰しんいん しょう ねん たり

私は齢七十となり頭はもうすっかり白くなってしまったが、今はまおことによい時節で、青葉の上を吹くおだやかな初夏の風がわたしの顔をなで、この宴席にまでやってきている。
いま、わたしは嬉しく眺めるのだ。
天地がすべて生き生きとしており、新たな夏の木陰が、まるで少年のような初々しさをただよわせているのを。