しん さく
木戸 孝允
天保四 (1833) 〜 明治十 (1877)

去歳千軍逼我疆

今朝孤劍入他郷

浮生萬事變如夢

一片依然男子腸
きょ さい 千軍せんぐん きょうせま
こん ちょう けん きょう
せい ばん へん じてゆめごと
一片いつぺん ぜん たりだん はらわた

昨、慶応ニ年 (1866) には、長州征伐と称して幕軍が我が藩の近くにまで攻め寄せて来たが、今朝は討幕のため一人他郷 (京都) に来ている。
浮世のことは変転極まりなく万事夢のようである。しかし、自分が身命を抛って国のために尽くそうとする真心は、決して変わるものではない。