昨、慶応ニ年 (1866) には、長州征伐と称して幕軍が我が藩の近くにまで攻め寄せて来たが、今朝は討幕のため一人他郷 (京都) に来ている。 浮世のことは変転極まりなく万事夢のようである。しかし、自分が身命を抛って国のために尽くそうとする真心は、決して変わるものではない。