男子たるもの、生まれながらにして、国家のために活躍しようという志がある。
さて、剣と書をたずさえて文武の道を極むべく、千里の彼方のどこに求めようか。
自分は風に吹かれて飛び行く蓬のように、落ちぶれてあちらこちらとさ迷ったこともあるし、また、心も流れる水のように、幾度も迷ったことがある。
時には酒樽を前にして打ち興じたこともあし、時には屈原の 「離騒の賦」 を読んで、その心情に打たれて、酒に酔い泣きながら吟じたこともある。
然し今は、太平の世のおかげで、屈原のように死をもって人に訴える必要も無いので、文章を綴り、それをもって青年達に自分の志を継がせようとしているのである。
|