川の流れに沿って散歩をすれば、ぼんやりと霞もたなびく、のどかな春の午後である。 澄んだふちには、魚が姿を見せ、奥深い竹やぶのあたりには、鳥のさえずりも聞こえずひっそりと静かである。 みどりいろもいとおしい若草は、踏めばいかにも柔らかく、こころよい春風は、そよそよと衣の袖をひるがえす。 美しい花をみつけながら詩を吟ずることをひかわたのは、蝶がびっくりするのを恐れたからだ。