う て しゅく ゆう ほうくだ
李 華
南宋 (1130 〜 1200)
我來萬里駕長風

絶壑層雲許盪胸

濁酒三杯豪気發

朗吟飛下祝融峰
われ きた ってばん 長風ちょうふう
絶壑ぜつがく層雲そううん しばらむねうご かす
濁酒だくしゅ 三杯さんばい ごう はつ
朗吟ろうぎん くだ祝融しゅくゆう ほう

自分は万里の彼方から吹き寄せる長風乗って、この祝融峰にとやって来た。
見下ろすと、深い谷の底から幾重にも重なって雲がわき上がり、その雲の盛んな様子は自分の胸中を揺さぶり動かすのである。
持ち来たった濁酒を三杯も飲むとたちまち豪快な気分となり、そこで、得意の詩を高らかに吟じながら、一気に祝融峰をかけ下ったのである。