だいわかしゅうじつ ざっきょうめいおう
山縣 周南
大和二 (1687) 〜 宝暦二 (1752)

昨夜梧桐落

今朝鴻雁歸

秋風吹不絶

滄海白雲飛
さく とう
こん ちょう 鴻雁こうがん かえ
しゅう ふう いて えず
滄海そうかい 白雲はくうん

昨晩は、あおぎりの葉が散り、秋を感じさせたが、今朝はまた、かりが遠く寒冷の地からもどってきて、いよいよ秋の到来を覚えさせる。
さわやかな秋の風はいつまでも吹きつづいてやまない。
青々とした大海原の空にくっきりと白い雲が流れてゆく。
(註) この題は歌会の席で和歌に用いる題を分けたところ、自分は 「秋日雑興」 という題を得たので、主宰者の命によって作った、という意。