てん ろう ざん
佐久間 象山
文化八 (1811) 〜 元治元 (1864)

天姥山頭秋月明

天姥山下秋水清

夜深好執紫蕭管

丹桂花陰學鳳聲
天姥てんろう 山頭さんとう 秋月しゅうげつ あき らかに
天姥てんろう山下さんか 秋水しゅうすい きよ
よる ふか くしてよし らん しょうかん
丹桂たんけい いん 鳳声ほうせいまな

秋深い天姥山 (冠着山) の山頂には月が皎々と輝き、その裾を大きな川が清らかに流れている。
夜も更けてあたりも静まったすばらしい夜、どれ、紫簫管 (紫色の美しい簫の笛) をとって芳香放つ金木犀の花の下で、昔、太子・晋が鳳鳴を吹きなしたというように、一曲吹いてみようか。