しゅん こう きょう
李 華
唐 (? 〜 766)

宜陽城下草萋萋

澗水東流復向西

芳樹無人花自落

春山一路鳥空啼
よう じょう くさ 萋萋せいせ
澗水かんすい ひがしなが れて西にしむこ
ほう じゅ ひと はな おのずか
春山しゅんざん いち 鳥空とりむな しく

宜陽のまちの郊外には、春の若草が生い茂り、その間を東へ流れる谷川の水は途中で折れて、またもとに戻るかのように西へと向かって流れて行く。
かぐわしい香りの花の咲く木々には、その花をめでる人の姿もないままに、ただ花だけが靜に散って、春の山路はただ一すじ、そこに鳴く鳥のさえずりを聞く人もまたないままに、鳥のさえずる声が響いている。