しょう ぞうだい
新井 白石
明暦三 (1657) 〜享保十 (1725)

蒼顔如鐡鬢如銀

紫石稜稜電射人

五尺小身渾是膽

明時何用畫麒麟
蒼顔そうがん てつごと鬢銀びんぎんごと
せき 稜稜りょうりょう いなずま ひと
しゃく小身しょうしん すべたん
めい なんもち いん りんえが かるるを

年老いた青黒い顔は鉄の如く、白い髪の毛は銀の如く、紫水晶のように角張って鋭く光る眼光は、いなずまの如く人を射んばかりである。
自分は五尺の小身であるが、全身胆力のかたまりである。
乱世なれば武功を立てて、漢の功臣の像が描かれたという麒麟閣に、自分も描かれることは難しくはないが、今は太平の世の中でありその必要もない。