何と山の多いことよ。東も西も南も北も、幾つもの山が重なって遠くまで連なっている。 また、一つの山を登ったかと思うと、次にそれよりも高い山が現れて何処まで登ったら登り尽くせるのか果てしなく続く。 そうした中で、月は山の影から昇り、山並を照らして又山陰に沈んで行くのである。