谷川の清流に向かって坐っていると、水は靜に流れて、わが心とともにのどかである。 いつしか日が暮れて、山の端に月が昇ったのも気付かずにいたが、月の光に照らされた松の葉の影が、わが衣の上に落ちて、まだらにうつっていた。 と、流水に忘我の境を託し、山月にさとりの境地を表したものである。