こう じゅつふゆ しゅう ちゅうつきかん
中江 藤樹
慶長十三 (1608) 〜 慶安元 (1648)

念慮一毫差

酬應千里訛

人心宜主靜

明月不沈波
念慮ねんりょ一毫いちごうたが えば
しゅう おうせん あやま
人心じんしんよろ しくせいしゅ とすべし
明月めいげつなみしず まず

ものの考え方にわずか毛すじ一本ほどの食い違いでもあると、その食い違いに対する現実の結果は、本来のものとは千里もかけ離れたものとなってしまう。
従って人は、心を靜に落ち着かせて、物事を正しく考察することを、ます第一にするがよい、 ちょうど明月が波に沈まないように。
明月のようになった心は、世の様々なわずらわしさに昏まされることはないのである。