世は年々文明開化の風がゆきわたって、人心も新しくなってきたが、人々は競って才知を磨き、自分の利をはかるばかりである。 思えば風俗は次第に浮薄に流れるばかりで嘆かわしいことである。 こうした時に真に国家を思う人は一体幾人あるだろうか。