ぐう せい
松平 春嶽
文政十一 (1828) 〜 明治二十三 (1890)

眼見年年開化新

研才磨智競謀身

翻愁習俗流浮薄

能守忠誠有幾人
年年ねんねん かい あらた なるを
さいみがみがきそ うてはか
ひるがえ ってうりょ習俗しゅうぞく はくなが るるを
忠誠ちゅうせいまも るは幾人いくにん

世は年々文明開化の風がゆきわたって、人心も新しくなってきたが、人々は競って才知を磨き、自分の利をはかるばかりである。
思えば風俗は次第に浮薄に流れるばかりで嘆かわしいことである。
こうした時に真に国家を思う人は一体幾人あるだろうか。