大帝はこの美しい桜花の国をお造りになり、この日の出る東のほとりにお置きになった。 陽春の二月、三月の頃ともなれば、何千万もの桜の木は、美しい花でいろどられる。 天子のおいでになる都の暁の空は、霞がたなびくように桜の花に満ち、やがて日本中いたるところ、雲の群がり起こるように咲き競う。 五千万余の同胞誰もが、この美しい花とともに、年の長からんことを願うのである。