おう こう
副島 蒼海
文政十一 (1826) 〜 明治三十八 (1905)

帝造櫻花國

安排日出邊

青春二三月

彩樹幾何千

霞蔚九衢暁

雲蒸東海天

同胞五千萬

相對欲長年
てい おう くにつく って 安排あんばいにっ しゅつほとり
青春せいしゅん さん げつ  彩樹さいじゅ 幾何いくなん せん
かすみうつ たりきゅう あかつき  くも東海とうかいてん
同胞どうほう 千万せんまん  相対あいたい して長年ちょうねん ならんとほっ

大帝はこの美しい桜花の国をお造りになり、この日の出る東のほとりにお置きになった。
陽春の二月、三月の頃ともなれば、何千万もの桜の木は、美しい花でいろどられる。
天子のおいでになる都の暁の空は、霞がたなびくように桜の花に満ち、やがて日本中いたるところ、雲の群がり起こるように咲き競う。
五千万余の同胞誰もが、この美しい花とともに、年の長からんことを願うのである。