顔は黄色くやつれ、頭はすっかり白くなって、病み疲れたような姿となって、千余里も遠く離れた大宰府の地に流されてしまった。
昔はこの身も花の如く栄え、衣冠を調えて参内の毎日であったが、今は官位をさげられて流され、僻地の囚となってしまった。
月の光は鏡のように輝いているけれども、わが胸の中を照らして無罪を明らかにしてくれることはなく、また風気は刀の如く鋭利ではあるが、わが愁いを断ってはくれない。
見るに随い、聞くにしたがってみな痛ましく心を悩ませることのみである。
去年までの秋にひきかえ、今年の秋ばかりは、独り自分だけの悲しい秋となってしまった。
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