仏法ぶっぽう そう ちょう
空 海
宝亀五 (884) 〜 承和二 (835)

閑林獨坐草堂暁

三寶之聲聞一鳥

一鳥有聲人有心

聲心雲水倶了了
閑林かんりん どく 草堂そうどうあかつき
三宝さんぼうこえいっ ちょう
いっちょうこえひと こころ
声心せいしん 雲水うんすい ともりょう りょう

山中の静まりかえった夜明けの草堂に独り座していると、どこからともなく、仏法僧と鳴くこのはずくの声が聞こえてくる。
鳥は無心に鳴いているが、人には感ずる心があって、その声に、仏の迦陵頻伽の声もかくばかりと思われるのである。
そして、鳥の声と人の心が感応し、雲水にとけあって、永久不変の真理を看得されるのである。