せい
吉田 松陰
天保元 (1830) 〜 安政六 (1859)

吾 今 為 国 死

死 不 負 君 親

悠 悠 天 地 事

観 照 在 明 神
われ いま くにため

して君親くんしんそむかず

悠悠ゆうゆうたり てんこと

観照かんしょう 明神めいしん

私は今、お国のために死んでいく。
これまでの私の行為は、私の心から発したものではないので、死にのぞんでも、天子、両親にそむいてはいない。
悠久な天地の間に展開される人間の多くの行為は、神のみが知るものであり、私のこの忠誠も神が知ってくれるものであり、それゆえにこそ今従容として死につくのである。