しょ おう あそ
廣瀬 旭荘
文化四 (1807) 〜文久三 (1863)
花開萬人集

花盡一人無

但見雙黄鳥

緑陰深處呼
花開はなひらきて万人ばんじんつど
はな きて一人いちにん
ただ双黄そうこうちょう
りょく いんふかところ

この桜の宮は、古来、花見の宮として広く親しまれているだけに、花が開くと何万という人々が集まり、大変なにぎわいをしる。
けれども、、ひとたび花が散ってしまうと、もはや、だれ一人として訪れるものはなくなって、ただ、二羽のうぐいすだけが、緑の木々の奥で、呼び交わして鳴いているというふうになってしまうのである。