この桜の宮は、古来、花見の宮として広く親しまれているだけに、花が開くと何万という人々が集まり、大変なにぎわいをしる。 けれども、、ひとたび花が散ってしまうと、もはや、だれ一人として訪れるものはなくなって、ただ、二羽のうぐいすだけが、緑の木々の奥で、呼び交わして鳴いているというふうになってしまうのである。