かん ばい
新島 襄
天保十四 (1843)〜明治二十三 (1890)

庭上一寒梅

笑侵風雪開

不爭又不力

自占百花魁
庭上ていじょういち 寒梅かんばい
わら って風雪ふうせつおか してひら
あら わずまた つと めず
おのずかひゃっ さきがけ

庭の木々にまじって一株の寒梅の木がある。
その梅の花は冬の厳しい風や、或いは霜や雪に笑って耐えしのんだ後、はじめてこのような美しい花を咲かせるのである。
別に他のものと争うわけでもなく、そうかといって力むわけでもない。
それでいてこの花は自然に他の花々の先がけをするのである。