庭の木々にまじって一株の寒梅の木がある。 その梅の花は冬の厳しい風や、或いは霜や雪に笑って耐えしのんだ後、はじめてこのような美しい花を咲かせるのである。 別に他のものと争うわけでもなく、そうかといって力むわけでもない。 それでいてこの花は自然に他の花々の先がけをするのである。