ひん こう こう
杜 甫
盛唐 (712 〜 770)
ひるが せばくもくつがえ せばあめ となる
紛紛ふんぷん たる軽薄けいはく なんくかぞ うるをもち いん
きみ ずや管鮑かんぽう ひん まじわ りを
みち 今人こんじん ててつちごと
翻手作雲覆手雨

紛紛輕薄何須數

君不見管鮑貧時交

此道今人棄如土

世の中の人情の変わりやすいこと、手のひらをかえすような、また雲や雨の変化のような、まことに頼りないものである。
しかもこのように軽薄な人は一々数え上げるいとまもないほどに多いのだ。
君たちも見て知っているだろう。菅仲と鮑叔の、貧乏時代の深い心の交わりを。
この交友の道を、今の人達はあたかも土くれのように棄てて顧みないのである。