秦嶺から、西の方へ出ていった山深いところに、国境のとりでがある。 秦嶺をおおい閉ざす雲は、私の故郷(長安)をなつかしむ思いまでもとざしてしまう。 なつかしい長安は見ることが出来ず、見えるのはただ空高く輝く月だけである。 この月は都のどのあたりの砧を照らしているのだろうか。 わたしの妻が砧を打つ姿を照らしているのであろうか。