かく ちゅう
一休 宗純
応永元(1394)〜文明十三(1481)

吟髪霜白奈衰容

風過浮雲一片蹤

不識今宵何處宿

一謦古寺暮樓鐘
吟髪霜白衰容ぎんぱつそうはくすいよういかんせん
かぜぐるもうん一片いっぺんあとあり
らず今宵何こんしょういずれのところにか宿しゅくせん
一声いっせいありろうかね

旅にあって、自分の姿につくづくと老いを感ずる。我が髪の毛は霜のように白く、身は衰えてどうしようもない。
空 を吹く風すらも、吹いたあとには一ひらの浮雲を残してその足跡とする。
しかし一所不在をこととして定所のない私には、足跡さえ残らない。
今夜はいったいどこに泊まることになるので あろうか。
古い寺の鐘楼から夕暮れの鐘の音が聞こえてくる。