月 照げっしょう 十 七 回じゅうしちかい
西郷 南州
文政十(1827)〜明治十(1877)

相約投淵無後先

豈圖波上再生

囘頭十有餘年夢

空隔幽明哭墓前
相約あいやく してふちとう後先こうせん
豈図あにはから んや じょう 再生さいせいえん
こうべめぐ らせば十有じゅうゆう ねんゆめ
むな しく幽明ゆうめいへだ てて ぜんこく

互いに固く縛り合って薩摩の海に飛び込んだが、あの時は死なばもろともという覚悟で身を投げたのだったがわ が身だけが何の縁があってか生き残ってしまった。
思いをめぐらせばそれもはや十七年の昔の夢と化した。今日空しく幽明境を異にして君の墓前に慟哭し、君の 菩提を弔うとは、さても残念の限りである。