ふう きょう はく
張 繼
盛中唐 (756頃在世)

月落烏啼霜滿天

江楓漁火對秋眠

姑蘇城外寒山寺

夜半鐘聲到客船
つき からす いて霜天しもてん
江楓こうふう ぎょ 秋眠しゅうみんたい
城外じょうがい寒山かんざん
はん鐘声しょうせい 客船かくせんいた

月はもう西に沈み、烏の鳴く声が聞こえ、空には霜のおりる気配が満ちあふれて、寒さがきびしい。
川岸の楓や 、漁り火あかりが、点点と、寝そびれた目にうつる。
なかなか寝つかれずにいると、姑蘇の町はずれの寒山寺から であろうか、夜半を告げる鐘の音がこの船まで聞こえてきた。