どう かん みの る の だい
作者不詳

孤鞍衝雨叩茅茨

少女為遺花一枝

少女不言花不語

英雄心緒亂如絲
あんあめいてぼうたた
少女しょうじょためおくはないっ
少女しょうじょ わずはなかたらず
英雄えいゆう心緒しんちょみだれていとごと

太田道灌は、ある日一人で馬に乗って出かけたのだが、雨が急に降り出した。
一軒の貧しいあばらやに立ち寄って雨やどりをし、蓑を借りようとすると、一人の少女が出て来て、一本の山吹の花を差し出した。
少女は一言もしゃべらず、また花も何も語ろうとしない。
この武将は、それがまた何のことか全くわからず、思いまどうのみであった。