はるか彼方から吹き寄せる風を受けて、わが帆船は万里の波を破って帰るのである。 瀬戸内海の海原を、多くの岬や島々をめぐって、はるばる赤馬が関へと航路を取る。 多くの早瀬などの難所を乗りきり、やがて波の静かなところへ出ようとする頃、空の彼方に始めて故郷九州の山々が見えるのであった。