去年の今夜は、九月九日重陽の節句の翌日の宴で清涼殿に侍っておりました。 その時「秋思」という題でお作り申し上げた詩が思いがけずおほめをいただきましたが、それもいま思うと悲しみにうちひしがれる思いがいたします。 その時頂戴した御衣は、今もここに大切にしており、毎日両手に捧げて、移り香をなつかしんでおります。