がつ とお
菅原 道真
承和十二(845)〜延喜三(903)

去年今夜侍清涼

秋思詩編獨断腸

恩賜御衣今在此

捧持毎日拝餘香
去年きょねんこん清涼せいりょう
しゅうへんひと断腸だんちょう
おんぎょ今此いまここ
ほうして毎日まいにちこうはい

去年の今夜は、九月九日重陽の節句の翌日の宴で清涼殿に侍っておりました。
その時「秋思」という題でお作り申し上げた詩が思いがけずおほめをいただきましたが、それもいま思うと悲しみにうちひしがれる思いがいたします。
その時頂戴した御衣は、今もここに大切にしており、毎日両手に捧げて、移り香をなつかしんでおります。