続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集


 
仇討ちの時 袖印に附したる詩
原 惣右衛門
また是れ大虚 月一団

怒雷煙雨 端無し

凛凛たる清風 雲後霽

また是れ大虚 月一団


仇討ちの時 袖印に附したる詩
木村 岡右衛門
身は雲漢に寄り海東より来る

命は恩義に因る世塵の中

花を看酒を呑み多し幾歳

時なる暁天霜雪の風
仇討ちの時 袖印に附したる詩
武林 唯七
三十年は一夢の中

身を捨て義を取り夢なお同じ

双親は疾に臥して故郷にあり

義を取り恩を捨てて夢とともに空し