続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集


 
東 照 公 御 遺 訓
徳川 家康
人の一生は重荷を負うて

遠き道をゆくが如し

いそぐべからず

不自由を常と思えば不足なし

心に望みおこらば

困窮したる時を思い出すべし

堪忍は無事長久の基

いかりは敵とおもへ

勝事ばかり知て

まくる事をしらざれば

害其身にいたる

おのれを責めて 人をせむるな

及ばざるは 過ぎたるよりまされり