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蜀江は水碧にして蜀山は青し
聖主朝朝夕夕の情
行宮に月を見ては傷心の色
夜雨に鈴を聞けば断腸の声
春風桃季花開くの夜
秋雨梧桐葉落つるの時
西宮南苑秋草多く
落葉階に満ちて紅きも掃わず
夕殿に蛍飛んで思悄然
孤燈挑げ尽くして未だ眠りを成さず
遅遅たる鐘鼓初めて長き夜
耿耿たる星河曙けんと欲するの天
別れに臨みて慇懃に重ねて詞を寄す
詞の中に誓いあり両心のみ知る
七月七日の長生殿
夜半人無く私語の時
天に在りては願くは比翼の鳥となり
地に在りては願くば連理の枝とならん
天長地久時有りて尽くるとも
此の恨み綿々として尽くる期無し |
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