続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集


 
長 楽 寺 慕 情
大茂木 慶山
   (一)

京は四条の東山

高みに望む長楽寺

春は桜を見に来やれ

秋は紅葉の色添えて

   (二)

古式ゆかしき御堂には

今も昔の語り草

哀れ儚き門院の

涙の跡の滝清水

   (三)

お主の仇を討ち果たし

見事に散った四十六

影身に添うて身を削る

玄渓さんの心意気

   (四)

歴史紐解く山陽が

好みしものは東山

水清らかに山淡く

遠みに聞こゆ鐘の声