続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集


 
城 明 渡 し
逸 名
名残惜しみて散る花の

風に恨みをぞ深からん

記す心の和歌まくら

春を残せる命なれ

永久の別れと見かえれば

城を照らして澄める月

一足ごとに遠ざかる

武士の涙ぞ哀れなる
 


述 懐
頼 山陽
十有三春秋

逝く者は已に水の如し

天地始終無く

人生生死有り

安くんぞ古人に類して

千載青史に列するを得ん