続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集


 
静 御 前
松口 月城
しずやしず

  賤のおだまきくりかえし

    むかしを今になすよしもがな

紅唇綻び出づる想夫憐

舞去り舞い来りて姿慄然

座上の将軍顔色怒る

静姫の貞烈今に至るまで伝う
秋 思 の 詩
菅原 道真
丞相年を度って幾たびか楽思す

今宵物に触れて自然に悲し

声は寒し絡緯風吹くの所

葉は落つ梧桐雨打つの時

君は春秋に富み臣漸く老ゆ

恩は涯岸無く報ゆること猶お遅し

知らず此の意何にか安慰せん

酒を飲み琴を聴き又詩を詠ず