続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集
惜 別 の 歌
島崎 藤村
(一)
遠き別れに耐えかねて
この高殿に登るかな
悲しむなかれ我が友よ
旅の衣をととのえよ
(二)
別れといえば昔より
この人の世の常なるを
流るる水を眺むれば
夢恥ずかしき涙かな
関ヶ原古戦場を過ぐ
松口 月城
英雄會つて此に乾坤を決す
風景依稀たり関ヶ原
今古の興亡感慨多し
伊吹の嶺畔白雲奔る