続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集


 
長 篠 懐 古
榛葉 竹庭
二萬の貔貅鐡鞍を列ね

三千の砲響烟巒を撼るがす

已に折戟の耕器を妨ぐる無く

唯鳴ヘイの急灘に住まる有り

鳥は稻雲に没して秋気老い

風は蘆雪を吹いて夕陽残す

白頭古を弔う長テイの上

一望蒼然として野色寒し