続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集


 
九 月 十 五 夜
菅原 道真
黄萎の顔色白霜の頭

況んや復千余里外に投ずるおや

昔は栄華簪組に縛せられ

今は貶謫草莱の囚と為る

月光は鏡に似たるも罪を明かにする無く

風気は刀の如くなるも愁を断たず

見るに随い聞くに随うて皆惨慄

此の秋は独り我が身の秋と作る