四面皆賊簇りて雲に似たり
城は雲中に在って級々分る
満目今日真に火国
市?村落一時に焚く
城兵は魚の釜中に在るが如く
城将の心は泰山の安きに居る
破裂丸は飛んで烈焔迸り
雲梯は笑う渠が魯般を学ぶを
忽万雷をして地より発せしむ
火牛何ぞ必ずしも田単に倣わん
六十日間虚日無く
攻守一日幾艱難
軍粮山の如く山も亦盡く
頼に我が兵力の能く殫す有り
能く力を殫すと雖も色菜ならんと欲す
千竃煙絶えて兵気寒し
知る是都督援軍の到を
大喊の声は一山を隔てて聞ゆ
城兵驀地出で賊を撃つ
賊軍崩れ去りて倒瀾に似たり
嗚呼日本国中已に城無く
唯此の城有って賊軍を遮る
城を護る者は誰ぞ谷少将
城を築く者は是当年の鬼将軍 |
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