続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集


 
癸丑十月鳳闕を拝す
吉田 松陰
山河襟帯自然の城

形勝依然たり旧神京

今朝盥嗽して鳳闕を拝す

野人悲泣して行くこと能わず

聞説く今上聖明の徳

天を敬い民を憐れむ至誠より発すと

安くんぞ天詔六師に勅するを得て

直ちに皇威をして八紘に被らしめんことを

人生萍の如く定まり在ること無し

何れの日か重ねて拝せん天日の明