続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集


 
清 盛 最 期
大茂木 慶山
富士川の晨鳥声喧し

平氏驚愕して鼎の沸くが如し

相国此を聞き怒り心頭

即ち病を得て命尽きんと欲す

嗚呼慚愧たり頼朝が事

直ちに仇首を把って墓前に供せよ

英傑一たび去って大厦仆る

二十余春夢幻の仲
祇 園 精 舎
祇園精舎の鐘の声

諸行無常の響きあり

紗羅双樹の花の色

盛者必衰の理をあらわす

奢れる人も久しからず

唯春の夜の夢の如し

猛き者遂には滅びぬ

偏に風の前の塵に同じ