続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集


 



一月十七日大地震に寄す
加来 米子
激震暁を襲う荒地を訪れ

路傍の白梅慄然を忘る

正志勇断す再起を誓ひ

生気明日より萌芽を抱く
 
一 の 谷 懐 古
梁川 星巖
二十餘春夢一空

豪華吹き散ず海ゼンの風

山は殺気を排して参差出で

潮は冤声を迸しらして日夜東す

憶う昔満宮去鷁を悲しみ

往時をもって飛鴻に問わんと欲す

爛班剩さえ見る英雄の血

塹樹鵑啼いて朶々紅なり